TEELING WHISKEY SMALL BATCH[ティーリング スモールバッチ No.48]

アイリッシュ
TEELING WHISKEY SMALL BATCH[ティーリング スモールバッチ No.48]
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本日のウイスキーはティーリングウイスキースモールバッチ

昨年度も様々なウイスキーを楽しみましたが、基本的には事前情報ナシに、その時々の雰囲気で買い、たまたま初心者でも飲みやすいウイスキーと出会ったらラッキーぐらいの気持ちですが、山ほどある蒸溜所ですから「数撃ちゃ当たる」とはいかず。

そこで年末年始に息抜きがてら検索沼に自ら飛び込み「あーでもない、こーでもない」と妄想しながらたどり着いた1本です。

選んだ理由は3つ。

1つ目のポイントはノンエイジでも実勢販売価格が3,000-3,600円ぐらいであることを確認し、不景気でインフレなご時世でもこれぐらいだったら初心者でも掴めるかな?というリーズナブル感。

(山崎や白州の転売価格でティーリングが3本飲めるゾ)

2つ目のポイントはアイルランドのウイスキーはロー&コーを飲んで以降「そこそこおいしいウイスキー」というのがインプットされてしまい2匹目のドジョウ狙い。

(あれ、私にはおいしかったのですよ。ロー&コー)

3つ目は「アタリ」を引き寄せるべくおいしそうなカスクフィニッシュ狙いで探していたら「ラムカスクフィニッシュ」であったことで「甘党な私好み?」と妄想が先走った結果です。

 

ティーリング スモールバッチ No.48の感想

はじめて飲むボトルはラベルを眺めるのが楽しみですが、ティーリングは中心に据えられたフェニックスのロゴにすべてが影響を受けてますね。個人的には好まないデザインですが、書いてあることは「スピリット・オブ・ダブリン」とか不死鳥ロゴですから、なにかの思いを伝えたい雰囲気は伝わってきます。

(日本語だと大和魂に鳳凰みたいなことですな)

Teeling Whiskey: The Irish Phoenix
Teeling Whiskey: The Irish Phoenix

サイトを見ると、それっぽいウンチクが書いてありますが、結論から言えば廃れていたアイルランドウイスキーを再興した代表的蒸溜所のひとつ。

上のサイトによると歴史自体は長くて1782年からクラフト蒸溜所をスタートし、アイルランドウイスキーは1900年ごろにピークを迎えたものの、経営は「アメリカ人消費頼み」だったところに禁酒法が登場。瞬殺されました。ほぼ壊滅状態。

(複数のお客様による会社経営が大事という話)

1972年ごろのアイルランドウイスキーは地を這う低迷状態でしたが、1988年にフランスのペルノリカール社が買い復興が始まり、ビーム社がクーリー蒸溜所を作り、後日キルベガン蒸溜所と改名され、ビーム社は後日サントリー傘下となった、みたいなことが書いてありますね。

(つぎの世紀に向けて市場整備といった感じですかね?)

ティーリング社の特徴はシングルモルトのカスクフィニッシュにシェリー、ポート、マデイラ、ホワイトバーガンディ、カーベルソーヴィニヨンが使われることが特徴らしいですが、その入手経路などは謎というか秘密のままです。そしてキーモルトも秘密のままです。

(イチローズモルトのように昔から持っていたお宝樽なのかもしれません)

色はちょっと薄めですね。ノンエイジですから仕方なし。

(山崎も本当はこれぐらいの価格だろ!と思ってみたり)

ここまでの事前知識で「まぁ普通はアタリの味だろーよ」と思って期待していますが、こればかりは開栓してみないとわかりません。

国際評価 : SAN FRANCISCO  WORLD SPIRITS COMPETITION  2019 DOUBLE GOLD

ティーリングのなかでは最もベーシックなボトルだそうで、これでも十分な魅力を堪能できるらしいです。ラベルには「2012 reborn」「non chill(無濾過)」「rum caske」「46% alc/vol」と頼もしいキーワードにワクワクしながら…

ちなみにラムカスクフィニッシュはニアラグアの「Flor de Canan(フロール・デ・カーニャ)」で4〜6ヶ月追熟させるそうで、そのフロール・デ・カーニャを見ると7年、12年、25年とあるので、妄想が膨らみます。

書いてあることを鵜呑みにすると7年樽(イチジク、バニラ、オーク、トーストココナッツ、レーズン、アメリカンチェリーなどの赤い果実。)の味?とかね。

いまのところアイリッシュウイスキーでフロール・デ・カーニャのラムカスクフィニッシュはティーリング社だけだそうです。

さて、基本的に味音痴ですが喉越しが快いものを選ぶ傾向があるジジイの率直な感想…

開栓するととてもフルーティーな印象です。いわゆる「下ろし立て」ボトルはアルコール臭を感じますが、数日経って嗅いでみるど軽減。全体的にはバニラ香ですが、かすかにブドウのような香りがします。干しブドウの香りに感じます。洋ナシのような、いちじくのような印象も。焼きリンゴのような印象も。アルコール臭や煙感は日が経つほどに感じなくなりました。

ストレートを口に含むと開栓直後はアルコールがピリピリ来ましたが、これも2-3日置いて開けると気にならなくなりました。しばらく口に含んで転がしたい印象は香りの印象がそのまま味にも表れている感じです。とてもフルーティーで、ここでもぶどうのような、洋梨のような、いちじくのような味わいです。

少し加水すると飲みやすさ、甘さ、フルーティーさが増します。とても46度のウイスキーとは思えません。これはヤバいですね。

最後に珍しくハイボールも作ったのですが「炭酸飲料かよっ」てぐらい喉越しが軽やか。これはヤバいですね。一応46度ありますから調子に乗ってガブガブ飲むと酔っぱらう系です。おそらく初心者向けの1本にしてよいと思います。

  • 初心者おすすめ度 : ★★★★☆
  • アルコール感 : 開栓3日後で気にならなくなりました
  • 喉越し : びっくりするほど軽やか
  • 香り : 干しぶどう、洋梨、いちじく
  • リピートしたい度 : リピートはアリだと思う

滅多にハイボールは飲まないですが、珍しく作ってみたら激ウマ。

なんて表現したらよいか分かりませんが、一言で言えば「何杯でも飲める」印象。日本人は飲食店でサントリーの角ハイに舌が調教されているわけですが、それと比べ格段に飲みやすいです。別の表現だとハイボールとしては物足りないかもしれません。

これは…

初心者おすすめの1本に認定してよいと思いますが、深みが足りない印象は否めず、しかし全否定するほど悪い点もなく、価格的にもリーズナブル。迷いに迷って「初心者おすすめウイスキー」にしました。厳密に言えば「初心者にそこそこおすすめウイスキー」です。

Teeling Whiskey – Small Batch, Big Flavour
Unconventional Irish Whiskey, at Teeling Whiskey, we are renowned for our vision in doing things differently and, with d...

これを書きながら飲んでいますが、あっさりとしたフルーティーな味わいの中にもねっとり感があります。しかも軽やか。まとわりつき方が軽い。これはウイスキーが苦手な方にもおすすめできると思います。別の表現だと「中途半端」なのかもしれませんが、勝手に「イチローズモルトのホワイトラベルぐらい?」と思っていました。

ティーリングはひとつ上のランクにシングルモルトがあり、確か5,000円ぐらいだったと思います。

飲んだことはないですが、今回飲んだブレンデッドでも十分に美味しいと思います。シングルモルトですら5,000円ぐらいですとお得感がありますがブレンデッドは3,500円前後。

約1ヶ月かけて飲み干したのですが初心者に飲みやすいと思います。

日本人はわりとスコッチウイスキーに飼い慣らされていますが、個人的にはアイリッシュウイスキーのポテンシャルは高いと思います。

できれば機会を見つけてシングルモルトも飲みたいと思います。ティーリングウイスキースモールバッチ、ごちそうさまでした。

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