まだ昨年飲んだウイスキーのメモです。
本日は「だるま」で知られるサントリーオールドウイスキーです。昭和の子どもの脳裏に刷り込まれたウイスキーの代名詞といえばこのボトルだと思います。お中元やお歳暮で届く酒の定番。
テレビを点ければ渋いオヤジがボトルを傾けトクトクと音をさせながらグラスに注がれる茶色い液体。それがいかにも格好が良いオトナの姿を刷り込みつづけて70年。
それにしてもサントリーのマーケティングは良くも悪くも学ぶ点が多いですね。
サントリーオールドウイスキーの感想
基本のキで普通にストーリーマーケティングを魅せてくる製品情報はサイトにたっぷり書かれておりますが…
サントリーの社名を冠した商品にも関わらず人生で初めて飲む意外性です。その特設サイト内にある「オールドの歩み」というページはちょっと読み応えがあります。
ウイスキーが発売されたのは1950年というのはラベルにも「since1950」と書かれている通りですが、このウイスキー自体は1940年に出来てたんですね。
商品化されるまでに10年を経たというのがサントリーオールドの面白いところでしょうね。
決して安くもなく、さりとて高くもない、絶妙な価格帯なのに意外と手にすることがない、でもCMでガンガン刷り込まれた印象は大人になっても「サントリー = オールドウイスキー」という情報で埋まっており、売上のよい関係会社は山ほどあるにも関わらず「サントリー = 響と山崎」みたいな…実に不思議なお家芸を持つ会社さんです。
基本的に味音痴ですが喉越しが快いものを選ぶ傾向があるジジイの率直な感想…
開栓するとアルコール感3割、シェリー樽香4割、木質感2割、なにかほんのり甘い香り1割に感じます。甘い香りが少なく、しばらく嗅いでいるとアルコール感がどんどん攻めてくるので特別美味しそうな気配は感じません。この辺りの感覚が初心者向きではないウイスキー独特の香りですかね。ピート感も低い印象。
ストレートで飲んだときのアルコール刺激はわりと少なく舌は少しねっとり感を捉え喉を通る頃には「あ、サントリーだ」という感覚。間違いなくどこかの飲み屋で口にしてる味です。ウイスキー初心者にとってこの甘さは全く足りないレベルだと思いますがほんのり香ってくるので飲み難くはないと思います。
トワイスアップにすると全てがマイルドに。トゲが取れてツルツルな感じ。トワイスアップよりも数滴加水しながら飲む方が美味しさの余韻が楽しめます。
- 初心者おすすめ度 : ★★☆☆☆
- アルコール感 : 香りからはそこそこ刺激がありますが口に入れた時のピリピリ感は低め
- 喉越し : 余韻は長く、口の中がバニラ!
- 香り : シェリー樽とカラメルっぽい甘い香りが少々
- リピートしたい度 : 日本人として手にしちゃうんだろーなー
ニッカとは戦略が全く異なりストレートに「和食に合うウイスキー」で挑んだ話は有名ですが、確かにウイスキーをストレートやロックで嗜める人は多くなく、その多くは水割りやハイボールとなりますが、確かに加水すると少しずつ癖が落ちる感じですね。よって和食にも合うわけですが事実そのマーケティングに乗っかった飲み方をしてますね。
おそらく団塊世代にとっては憧れの1本ですから高級酒のひとつだと思います。
実際に飲んでいるのは団塊jrですから「いつかはクラウン」も響かない、憧れのない、乾けない世代ですが、日本で生まれて、日本で育って、日本産のウイスキーを飲める歴史はありがたいですね。
先日飲んだニッカもサントリーも黒ボトル。色付きボトルはリサイクル製品低コストだと思いますが、そうではあってもどちらも歴史を感じる逸品。これがどちらもジャパニーズウイスキーを支えてきたことを思うと感慨深い2社です。
サントリーは儲けた金を必ずパトロンとして(多種多様な方法で)還元するわけですが、それに乗っかれた開高健も私が好きなコピーライターのひとりです。晩年というには早すぎる死ですが映像に残るウイスキーを飲みながら女性に例えるシーンはとても印象的。最近ではあさぎーにょさんにも還元されております。
オールドの解説ページにも載っているい「やってみなはれ。やらなわかりまへんで」というのは「たくさんやってりゃどれか成功しますやん」という物語の入口ということでしょうね。そして人生を終えるころになって「やってみなはれ。やったらわかります」となり、その歳になってもやらなかったひとは「わかりまへんで」の人生。
サントリーオールドウイスキー、ごちそうさまでした。
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