本日はニッカウイスキーが2020年に発売した限定ウイスキーシリーズの余市アップルブランデー・ウッド・フィニッシュのメモです。
これは買ってすぐ開栓して100mlぐらい飲んで以降消息不明だったものが棚の奥から出てきたので約2年ぶりのご対面。
(おかえりなさいませ)
2020年といえばコロナ元年ですが、私もこの年からウイスキーリハビリを再開したので、なんとなく買って、なんとなく開けて、なんとなく飲んだのですが、後日個人的には宮城峡が好みだったので「余市じゃなくて宮城峡にすればよかったなぁ」なんて思っていました。
(いまさら何を…)
その後はご覧の通りの記録で3年ほどかけてやっと70銘柄程度を飲んだだけ。しかもほとんど宅飲みで高額なウイスキーはないです。その中では格段に高額な部類(15,000円税込)ですが、そもそも6,700本限定商品なのでお店で飲むタイプ。
(ですよね?)
このシリーズはラムウッド、モスカテルウッド、マンサニーリャなどで知られており、どれもおいしそうです。コロナ禍がなければマンサニーリャを飲める店は探し当てていたのですが、肝心のお店が休店したままだったのでお預け継続中。
もしかすると年内飲める機会に恵まれるかもしれません。
(潰れていなければ)
当時のプレスリリースによると…
2020年3月24日(火)から数量限定で全国にて発売します。
2020年はニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝と妻リタの結婚100周年にあたります。竹鶴政孝は1920年にリタと結婚し、1934年に大日本果汁株式会社(現ニッカウヰスキー株式会社)を創業しました。ウイスキーは熟成に時間がかかるため、創業の黎明期を支えたのはりんごを原料にした商品でした。竹鶴の夢に生涯寄り添い続けたリタと、ニッカウヰスキーを支えたりんごへの深い敬愛を込め、竹鶴の夢の結晶ともいえる「余市」と「宮城峡」をアップルブランデー樽でフィニッシュさせた数量限定商品を開発しました。
今回発売する2商品は、『シングルモルト余市』および『シングルモルト宮城峡』を通常の熟成後に、アップルブランデーを28年間以上熟成させていた樽で約6か月間さらに熟成させています。甘く華やかな香りとフルーツケーキのような甘酸っぱい味わいが特長です。さらに、華やかで複雑な味わいを楽しんでいただくため、冷却ろ過を行わずにボトリングしています。
パッケージは、それぞれに「余市」と「宮城峡」のロゴを堂々と配し、「APPLE BRANDY WOOD FINISH」のゴールド文字で高級感を演出するとともに、竹鶴政孝と妻リタの結婚100周年を祝うゴールドのリボンをあしらいました。また、りんごのイラストと、りんご柄のドット模様をラベル下部とキャップシールに使用し、アップルブランデー樽でもたらされる華やかな味わいを表現しました。りんご柄のドットの中に一部ハートが隠されている、遊び心のあるデザインとしました。
(余市 アップルブランデー・ウッド・フィニッシュは)力強く厚みのある味わいの『シングルモルト余市』を、アップルブランデーの樽でさらに熟成させることで、芳醇な甘さとピートのコクが調和した味わいを実現しました。りんごのコンポートのような甘い芳香とモルティで豊かな香り、アップルパイやフルーツクッキーを思わせる焼き菓子のような香ばしくスイートな味わいで、ほのかなピートと麦の甘さが心地よく続きます。
アップルブランデーを28年間以上熟成させていた樽で約6か月間の追熟という言葉だけで酔いそうです。そもそもニッカの歴史的アップル商品をひとつも飲んでいない者がいきなりこれに手を出すというのも如何なものかと思いつつ…
(なにせ日果という社名ですから)
つまり現行商品だと4,200円の商品をアップルブランデー樽歴28年に6ヶ月漬けたら1万円オンして売れる話。この2本で売上を1億円増やせるわけですね。
(なーるほど)
海外メーカーでも似た戦略は山ほどあり、例えばデュワーズのカリビアンスムースは限定ですが3,000円以下のお値段でスーパー店頭に並べられるほどの数を出荷してすべて捌き終えてますよね。使える樽の数によるでしょうが、歩留まりってどのぐらいなんですかね。
ニッカの歴史とも言える林檎樽をもってして6,000本台なんですね。
これが開栓されるほどに希少価値が上がるので、妙なありがたみを感じながらいただきます。
余市 アップルブランデー・ウッド・フィニッシュの感想
そもそもマッサンを見てないので一切感化されてないのですが、サントリーも強気の商売が続いており、山崎も再び?の休売で、ついついニッカウイスキーの登板率が上がります。
テレビの影響を受けてないので1ミリも感動もなく開栓しました。
結婚100周年とかいわれても「ふーん」で終わることですが、とても力の入った一品であることは伝わってきます。
さて、基本的に味音痴ですが喉越しが快いものを選ぶ傾向があるジジイの率直な感想…
開栓するとアルコール感50%、バニラ香20%、りんごの香り30%といった感じ。思いのほかアルコール臭が漂ってきてびっくり。焼き菓子のような印象も。
ストレートを口に含むと確かにりんごの風味が強いことが分かります。こういう強さは初体験。スモーキー感もありますが圧倒的に甘みが勝る仕様。
加水すると甘さとスモーキーさが増します。おいしいけど、このスモーキーが私には邪魔。(宮城峡だと煙感はもっとおとなしいのかな?)トワイスアップにしてもスモーキーさは消えずしっかり主張してきます。加水したことでアルコール感は控えめになります。甘さもストレートの名残を維持しています。正直ちょっと唸ります。とてもおいしく整えてあることに驚き。
ロックにするとアルコール感は落ち、甘さも喉にまつわりつくようなねっとり感が減りました。個人的にはロックがおいしい(というか、飲みやすい)印象。
最後にハイボール。予想外にスモーキー感が強くて驚きました。ここで「あ、余市だ」を実感。りんごの香りもしっかり残っています。
- 初心者おすすめ度 : ★★☆☆☆
- アルコール感 : 鼻で感じたほどの強さを口では感じず。案外穏やか
- 喉越し : かなりねっとりとした甘さを感じます。梅酒みたいな感じ
- 香り : りんご、バニラ
- リピートしたい度 : お高いので店飲みですね
驚きは、どんな飲み方でもリンゴが主張してくること。
アップルブランデーフィニッシュを初めて飲んだので新鮮ではありますが、宮城峡を選ばなかったことが悔やまれる展開。宮城峡より甘さ控えめな情報を目にしましたが、これしか飲んでいないと、これはこれで十分に甘い!
個人的にはロックがいちばん好みでした。
スモーキーさが減ると初心者ウケする味になるのですが、このピート感がお好みの紳士淑女もいらっしゃるわけで、そっち系の人が飲むとこんどは甘さの好みが分かれるでしょうし、案外評価が難しいウイスキーでは?と思います。
さすがにこのお値段のボトルをポンポン空けるほどの甲斐性はないですが、でもこれノンエイジなんですよね。やはりちょっとお高い買物ですよね。
ネット価格を見ると平均3万円前後での取引ですが、私のように飲んじゃう人もいるわけで、年々希少価値が上がることになります。
さてこのボトル、ピート感があるゆえに飲みやすい印象が乏しく、いかにアップル感が強烈といっても初心者が褒めちぎるほどのウイスキーではないと思いますが、特別な味がすることは間違いないですね。お店で見かけたらリンゴ味の確認に飲むのはアリだと思います。
余市アップルブランデー・ウッド・フィニッシュ、ごちそうさまでした。
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