本日のウイスキーはニッカのオールモルト。
ブックオフでの発掘ですが値段を見ると「2,800円(税込)」と書かれていて「ムムム、もしやこれは価格設定ミスで安すぎるのでは?」と思い、迷わず店員さんに「このウイスキーください」と買ってしまった1本。
(ま、1000円台じゃないから大丈夫じゃない?)
少し前にニッカのカフェモルトを飲みましたが、その系譜をたどれるウイスキーのひとつがオールモルトであることを勉強していたので、たまたま記憶が新しいときの衝動買いです。オールモルトの次に登場するのが「モルトクラブ」ですがブックオフには並んでいませんでした。
(転売価格の山崎ノンエイジを眺めて終了)
が、後日酒屋さんで「2,800円(税込)」のモルトクラブを見つけたので買ってしまいました。その話は来月にでも。

まずボトル形状ですが、どーですか?
なにひとつ文句はないですが、いかにも昭和なフォルムに見えるのは私だけかな?全体的に丸みを帯びたこのカタチ。私もこの歳で稀に書く「丸文字」という…時代を彷彿とさせるボトル。
オールモルトセンティアの感想
でね、とりあえず買ってはみたものの「センティアってなんなん?」と思って調べてもデータがなくてたどり着いたのが「マツダ センティア」です。
そういう名前の車があったことも知らない人生ですが…
それにしてもこの車…
CMを探すとショーン・コネリー氏まで登用して、すごい力の入れようです。この車は1991年から売られていたようで、つまり、私がピチピチの20歳の頃です。
つまり、日本のバブル崩壊と共に歩んだセダン。
(まるで私の人生そのもの)
このCMが流れていたころはバブル崩壊済みですが、それは振り返るとわかる話で、当時はバブルの残り香が漂っている頃。おそらくこれだけ高級路線を謳ったこともあり、マツダとしてコケるわけにもゆかず、ニッカウイスキーとのタッグで…車購入のお客様へのギブアウェイだったのかもしれませんね。
このボトルの裏側の解説がなんとも酒心を盛り上げてくれます。
この説明書きを読むだけでよだれが落ちそう。
本当に贅沢仕様。世界広しと言えど、こんな変態ウイスキーを作れるのはニッカだけ。
この製法を「オールモルト製法」と呼んでいたそうで、wikiの解説によると「従来のブレンデッド・ウイスキーは麦芽100%のモルトウイスキーにトウモロコシ等の穀物を原料にカフェ式連続蒸溜機からつくられるグレーンウイスキーをブレンドして作られるが、「オールモルト」は「カフェ・モルト+モルトウイスキー」という当時としては画期的な製法で作られた商品であった。」と書かれております。
(この製法は2022年でも画期的)
つまり以前飲んだカフェモルトのブレンデッド版ということですね。
(ちょっとワクワクしてきた)
余談ですが、このラベルに書かれている「14A08B」の刻印は間違いなく1991年製造なんだそうで、自動車販売と同時期であり「間違いなく販促だろ」みたいな1本です。
つまり31年前のウイスキーです。
(ブロックチェーン以前でも「ほぼトレーサビリティ」できてる)
本当にワクワクしてきた。
以前ハイニッカのメモで少し触れましたが、年々地球環境は悪化していますから、この辺りの年代のウイスキーはお宝味もあり得ると思っています。
これでもすでにチェルノブイリ事故後ですが、東日本大震災の建屋爆発前。このふたつのキーワードだけでも空気や水の汚れ具合を察するに余りあることです。
私が20代の頃は賃貸アパートで友人とジャックダニエルをチビチビ飲みながら「なんでこんなマズいウイスキーを大人はガブガブ飲んでんだよ」と思っていたと同時期の商品。
(あくまで私の人生尺度ですが)
あの頃どこかで間違いなくオールモルトも目にしていたはずで、このウイスキーを飲みたいとも思いませんでしたが中年になっても品質を維持したまま飲めるというのがウイスキーのよいところ。
さて、基本的に味音痴ですが喉越しが快いものを選ぶ傾向があるジジイの率直な感想…
開栓しますとバニラ香、オーク樽香、アルコール臭が香ってきます。なんとなくどこかで飲んだことがあるような香りです。間違いなくニッカウイスキーの風味ですね。口に含むとアルコールがピリッと来ますが普通に飲めますね。
ストレートはほんのりゴム感や木質感と共に余市っぽい煙感もあり、個人的に好みではないのですが、味としてはおいしく整えてあるように感じました。スモーキー感はかなり控え目ですが後半に追い上げてきますね。
少し加水するとアルコールのトゲがとれて丸みを帯びた味に変身。香りもかなり立ちますね。これはとても飲みやすいし美味しく感じます。個人的には「酒1 : 水0.5」ぐらいが好みでした。マイルドになりますね。おそらくロックもおいしいと予想します。
ちょっと炭酸が余っていたのでハイボールも作ってみました。濃い目にしてみましたが、甘味は殆ど消えてしまいドライな印象が強いです。夏場に飲めば最高かと妄想していました。
- 初心者おすすめ度 : ★★☆☆☆
- アルコール感 : 感じますが控えめです
- 喉越し : 加水がおすすめで、後味はスッキリしています
- 香り : バニラ系
- リピートしたい度 : リピートは有り得るかな…
以前飲んだカフェモルトとは確実に違うことがわかります。やはりブレンデッドが飲みやすい。
カフェモルトのストレートはキリンの富士ほどの感激ではなかったですし、ストレートかロックぐらいがおいしいタイプなのでウイスキー初心者にきキツい味になりますが、それに比べると格段に飲みやすい!普段飲みとしてはめっちゃおいしい!と感じさせてくれます。
どうも頭の片隅に「いまより確実に水も空気も麦芽も品質がよいはず」と思ってしまうせいもあるせいか、ありがたくガブガブ頂戴しました。
2022年も景気がよいといえませんでしたが2023年は確実に不景気になると思うんですね。サントリーも2023年3月から順次値上げとかやってましたよね。ウイスキーはどんなに安くても最低1,500円から2,000円ぐらいが常識になりつつありますね。
(もうずいぶん値上げしてるけど…)
そういう時だからというわけでもないですが、古いウイスキーの有難みを感じる1本だと思います。初心者向きとは言いませんがウイスキー好きには楽しめる1本だと思います。
最後に余談ですが、先ほども少し触れたオールモルトが発売された時代はウイスキーなんで万人向けの飲み物ではなかった時代だと思いますが、私も下のCMを確かに覚えております。
覚えているのですが、これがニッカのCMであったことを今になって知りました。
いやー、あらためて商品宣伝の難しさを感じます。
たぶん世間一般には有名な女優さん、そして名曲、商品はニッカしか創れない渾身のブレンデッドモルト。どれも最強の布陣で挑んでも情報は万人へ伝わらないものなんですね。
その後ハイボールブームから原酒不足へと続くわけですが…
ということで、こちらは後日本当に女房になられた釣り好きなお方バージョン。
こんな広告、1ミリも興味を持たない人生を送っておりましたもので、こうして古い情報に接すると「日本から確実に華やかさが減ってるな」とか思うのでした。
やはり1,000円台の現行ウイスキーと比べれば格段に贅沢な味に感じます。もう少し安いとありがたいのですが物価高騰の折、贅沢な話ですかね。オールモルト、ごちそうさまでした。
このサイトはコロナ禍と共にスタートし、本年2022年で3年目でした。今年は「せいぜい月に1本」ということにしたので本エントリーをもって78本目です。厳密には2本紹介した回もあるので79本ですが…。これだけ飲んでも酔う飲み方は一度もありません。毎回シラフ状態。
同じペースで進むと来年末に90本。100本は再来年。
よくアル中とか言いますが…
このペースでも十分飲み過ぎの認識がありますが、アル中になるほど飲むというのは毎日飲むということなんでしょうね。わたしは飲まないと決めればピタッと止められる状態ですがアル中というのは…酔えるということなんでしょうね。
それでも基本的に飲み干すスタイルなのでこのサイトに載せたボトルで残っているものは1-2本ですから、なかなかの量を飲み干してますよね。量としては。
(質が大事だろ)
ということで、質を優先するとさらに飲酒ペースが落ちるかもしれませんが「まずは100本ノック」と思って飲み続けております。でも、質も確実に向上してるでしょ?
人によって異なる話ですが1日10ml程度が適量で30mlの時点で「メーカー戦略にやられてる」なんて話も聞きますし、たくさん飲むことは脳の記憶力にも影響しますね。日々の判断力は変わらないと思いますが、やはり記憶力は落ちるスピードが速く感じます。
(たぶん酒のせい)
が、来年も適当なペースで飲む予定です。みなさまも体を壊さない程度にお楽しみください。
それでは皆様、また来年^^
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