本日のメモは亜熱帯の沖縄で作られる新里酒造の「新里ウイスキー」ですが、原料は「モルト、グレーン、スピリット(泡盛)」という異色の経歴。厳密にはウイスキーではないというか…でも味はウイスキー…。
当のサイトにも…
ウイスキーとスピリッツのブレンド比率に特にこだわりました。
スピリッツを多く配合しすぎてしまうと、ウイスキーの枠組みからはみ出してしまい、味は良いがウイスキーではないと認識される商品になってしまうと考えました。
そこで、ウイスキーとして発売するからには、本来のウイスキーの味わいを保ちながらスピリッツに配合された沖縄の泡盛の風味がしっかりと感じられるような味わいを目指しました。
こういうウイスキーがあってもよいとは思います。が、パッケージが1846年からウイスキーを作っているようなラベルがなんともです。
新里ウイスキーの感想
そもそも泡盛が得意ではないのに久しぶりに買ったウイスキーが新里という…。たぶん今年購入1本目のウイスキーだと思います。それぐらい酒の量が減っております。
箱を開けてボトルを見た第一印象は「色、薄っ!」。はちみつよりも薄い色。色だけ見ると若いというのが一目瞭然。熟成感はまったく感じられませんが、無色透明の「樫樽貯蔵泡盛十三年古酒」配合に期待。
泡盛って、あの独特の味が私にとってはウイスキーよりもアルコール度数を高く感じる飲み物で、ウイスキーでも酔わないのに泡盛だと酔い潰れたことがある鬼門。
さて、基本的に味音痴ですが喉越しが快いものを選ぶ傾向があるジジイの率直な感想…
開封した第一印象は「確かにバニラの香りがする。そして甘そう」。色味は過去一薄いといってもよいぐらい薄く、梅酒でももうちょっと濃くね?という印象。
ストレートを口に含むと(ウイスキーを久しぶりに飲んだというのもあるんだけど)舌先にアルコールがビリビリとやってきました。なかなかの刺激です。ただし、味は整えてあり変なクセはありません。事前情報として「ヘビーチャーの新樽を使用することで、泡盛古酒由来のバニラ香と樽由来のバニラ香が複雑に絡み合い濃厚でまろやかな味わいが生まれました」と書いてあったので「ちょっと苦手なやつかも」と思っていましたが、とても飲みやすく整えてあります。味はバニラ、オーク、レーズン、酸味のある柑橘系、胡椒といった感じ。甘酸っぱい後味を感じますがキレがよく…うまく表現できませんが苦味のような後味も感じます。もしかすると泡盛の個性かもしれません。
トワイスアップを試すとアルコールのピリっと感は残っているものの格段に飲みやすくなります。これも普段のウイスキーとはちょっと違う印象です。飲みやすいけど、ウイスキーの丸さがなく、焼酎や泡盛のような個性がしゃしゃり出てきます。その渋みというか、苦味が舌先や喉越しに残りますね。残るんだけどマズイんじゃなくて「あぁ、こういうテイストなんだな」と受け入れられる感じ。
ハイボールは炭酸がなく試さず。全体としてウイスキーの華やかさより樫樽貯蔵泡盛十三年古酒の主張が大きいように思います。ぶっちゃけ新ジャンルな感覚。
- 初心者おすすめ度 : ★★☆☆☆
- アルコール感 : ちょっと高め
- 喉越し : 少し苦味の後味が残る感じ
- 香り : バニラ
- リピートしたい度 : リピートは…アリだと思う
表現がとても難しいのですが、大胆に言い切ると「ウイスキーのような泡盛」と言っていいかもしれません。もちろん言い過ぎなんですが、それぐらい泡盛の特徴をギリギリまで出し切ったというか、ウイスキーに寄せてきた印象。
いまも飲みながらメモしているのですがウイスキーを飲んでいる感じではない。
過去に飲んだウイスキーの味ですとジムビームプレミアムに似てますね。とてもドライな味。だけど新里の方がはるかにおいしく飲めます。これでラフテーとかミミガーとか、ちょっと脂っこい料理もきっと合うと思います。
リピートですけどね、内地でこれをリピートする意味ではなく、沖縄に行ったときにリピートという意味です。
実はこれを飲んだ後で「琉歌」という、なんとも情緒的ネーミングのニューボーンを見つけてしまい、思わず購入しようかと思ったのですが、あくまでもニューボーンなのでウイスキーと言えるのはこれからですし「まぁ、熟成してからでもよいな」と思って躊躇。
5,000本限定なのにネットには定価割れで販売中。さすがにこのインフレで酒飲みでも触手が止まっているように思います。とにもかくにもめずらしいものを頂きました。新里ウイスキー、ごちそうさまでした。
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