本日は久しぶりにちょっと変わったウイスキーが飲みたくなってニッカのカフェモルトを開栓。いま休売中の商品ですがニッカの商品群では必ず飲んでおきたい1本だと思います。が、ちょっと説明がややこしい1本。
(覚えてしまえばなんてことないですが)
くわしくはオフィシャル情報をご確認あれ。
「グレーンウイスキーを作るカフェ式連続式蒸溜機でモルト100%を蒸留して作った」ものを略してカフェモルトウイスキー。原料はモルト(麦芽)100%を使用。
商品名でもある素材名の「モルト」を読み取ると直感的にモルトウイスキーを想像しますが、製法を優先するので正しくはグレーンウイスキー、だそうです。
ちなみに連続式蒸溜機はサントリー知多工場にもありますから似た商品は作れますがニッカの機械は旧式なので香味成分が増すらしいです。ただし量産には向いていない。導入したタイミングがすべてといえますが結果としてニッカは量より質を選んだことになります。
(サントリーで同じ味は逆立ちしても出せません)
どーでもいいこと書きますが、英語のカタカナ読みは便利なこともありますが英語の勉強には邪魔ですよね。このCOFFEYという人名は発音もCOFFEE(コーヒー)に近いので、これをカタカナでカフェと表記すると脳内はCAFEになりますよね。だからカタカナ読みは「コフィモルト」ぐらいだとしっくり来るのですが。
(本当にどうでもいいことで失礼)
ニッカ カフェモルトの感想
正直申しましてCOFFEYシリーズのお値段はちょっとお高い印象。
ウイスキーを解禁して3年経ちますがノンエイジ(以下NA)で5,000円越えは、海外の名門ウイスキーと比較してもちょっとお高い。コロナ前は4,000円前後の商品だそうですが今は6000円。
ちょっと手を出しづらい価格帯になっています。
(なにせ終売じゃなくて、いちおう休売だから)
しかぁーし、インフレのご時世に原酒不足が重なり、かつ連続式蒸溜機の効率の悪さを考えると復活したら6,000円では買えないでしょうね。
今月から各商品300〜500円程度の値上げとなっており、もしカフェモルトが復活したら定価6,500円となり税込7,150円です。
各社のNA商品が高いというよりも、やはり日本が相対的に貧乏になったことで余計に高く感じちゃう問題が大きいのでは?と思います。いままで私の貧乏なものさしとして5,000円を超えると高いウイスキー群と認識していましたが、今月から頑張って無理して6,000円となりました。
この「トロフィー受賞」というのが飲まずにはいられない王者の証。ゴールドより上の最高位を受賞した逸品。それはそれは期待しちゃいます。
なにせ全世界のグレーンの頂点ですから。
ちなみにカテゴリー違いではありますが、2022年のジャパニーズウイスキー部門トロフィーはサントリーの「白州25年」だそうです。
(どこの、だれが飲んどんねゃ?)
さて、基本的に味音痴ですが喉越しが快いものを選ぶ傾向があるジジイの率直な感想…
開栓すると予想外のアルコール感にドン引き。こういうことは体調の良し悪しの影響を受けますが、少し時間を置くとバニラも香ってきました。ほんのり甘い香りも感じます。期待した割にストレートを躊躇する感じですが…
ストレートを口に含むとまだアルコール感が強いですね。ものすごくアルコール感が強いのですが口の中で転がしていると適度なねっとり感と共に甘味も感じます。バナナのような甘さと黒いゴムチューブのような味も。バカ舌で修行3年目ですがこれだけアルコール感が強いものをストレートで長時間口に含んでいられるのはよく整えられている証拠ですね。
加水すると甘さと共に辛さのような、苦さのようなものも増します。わりと想像通り。スモーキーなクセがないので飲みやすいです。アルコールのトゲが取れて丸くなり、とても飲みやすく変化します。
ロックにするとアルコール感はグッと落ち、甘さが最も際立つ印象。とてもおいしい。
- 初心者おすすめ度 : ★★☆☆☆
- アルコール感 : 想像以上に強く感じました
- 喉越し : 適度にまとわりついてくる感覚
- 香り : バニラ、バナナ
- リピートしたい度 : 体調のよい時にロックならリピートしたいかも
今までの数少ない飲酒データを振り返りながら「珍しいタイプのウイスキーだな」ということは理解できます。なにせグレーンウイスキーですから。
以前キリンのシングルグレーン「富士」が超!激ウマ記憶なのでつい比べますが、あちらはカフェモルトと同じカテゴリーで2020年ゴールドメダリストです。
これを書きながら富士ではなにを書き残していたのか確認したら「お酒が強い方にはかなり贅沢な飲み心地」と書いておりました。

今回の正直な感想は「富士の方がうまいかも」と思いました。あちらはストレートでうまい。こちらはロックがうまい記憶となりました。
(ま、ウイスキーは好みですから)
どちらにしても酒好きでアルコール度数と戦える喉の方向きで初心者向きではないですね。
余談ですが同じシリーズで「カフェグレーン」というのがあります。まだ飲んだことはないのですがこちらはジャパニーズウイスキー。
製造方法がポイントなのでどちらもグレーンウイスキーですが、今回飲んだ「カフェモルト」は輸入原酒を使用しているのでジャパニーズウイスキーではありません。
そしてまだ飲んだことのない宮城限定ウイスキー「伊達」はカフェグレーンとカフェモルトによる一品ですのでカテゴリーとしてはブレンデッドグレーンウイスキーですし、かつジャパニーズウイスキーではありません。
(伊達も飲んでみたいのですがこれも手元にない…)
こうしてウイスキーを比較してみるとニッカはかなり変態な、変化球なウイスキーを作っていたことを知れただけでも収穫でした。
いまは休売中でウイスキー愛飲家からさほど注目されることなく地味に在庫が出回っていているだけですが、立ち位置が微妙な商品なので休売を機に「在庫限りで終売。リニューアル」みたいなこともありえるかなー、なんて思います。
ノンエイジで5,000円超えですから安くない買物ですが、お酒に強い方は飲み応えのある一品だと思います。ブレンデッドの飲みやすさと比べるとひと癖ありますが大麦麦芽のグレーンと言われても信じ難いうまさはキリンの富士と似て記憶に残りますね。
最近つとに思うのですが、地球全体の汚染スピードが早く、かつ原酒不足で年代物がなく、ノンエイジですら生産調整され、おまけにコストプッシュインフレで値上げラッシュ。
カフェモルトのような個性的な休売中ウイスキーを目にしたら「迷わず買い」ですね。
すくなくともコロナ前の価格に戻ることはないと思います。ということで、手元に在庫のないカフェグレーンも機会をみつけて2-3本買って飲みたいと思っています。
カフェモルト、ごちそうさまでした。
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